椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアという病名は、よく聞きますが、正しく理解している方は少ないかもしれません。ヘルニアと診断され、歩けなくなるのではないか? 一生この痛みが続くのではないか?と考えてしまう方も少なくないと思います。


ヘルニアとは、本来あるべき所から飛び出た状態をいいます。椎間板とは、24個の骨が重なる背骨の、骨と骨の間の軟骨の事で、普段はクッションの役割を果たしています。


繊維輪(周辺の硬い部分)に亀裂が生じ、髄核(中心部分)が繊維輪を破って飛び出し(膨れ)てしまい、神経を圧迫し、激しい痛みや痺れを引き起こす状態が椎間板ヘルニアです。


身体を左右に曲げる時は、背骨の骨の形が変わって身体を曲げているのではなく、骨と骨の間にある椎間板が形を変える事によって身体を曲げています。右に身体を曲げた時には、椎間板の右側が潰れ、左側が開き、くさび形になるというイメージです。この性質により、椎間板に過剰な負荷が掛かった時には上下に潰れ、左右のバランスが崩れた時には左右どちらかが潰されてしまいます。椎間板は、縦方向の圧力には強いのですが、曲げたり、ねじったりする力には弱いという性質があります。


慢性的にこのような負荷を掛け続けていると、この形が優先され、全体のバランスが崩れ、様々な症状を引き起こす事になるのです。つまり、日常生活において、正しい姿勢をとり、いかに腰に負担をかけないようにするかが大きなポイントになります。


・立っているとすぐ辛くなる
・15分位でも、椅子に座っているのが辛くなる
・30分以上歩くと腰が痛くなる
・下肢にビリビリとした痛みがある
・前かがみの姿勢で痛みが強くなる
・下肢に触っても感覚が鈍い
・座った状態から立ち上がるのが辛い
・膝を伸ばした位置での下肢の持ち上げが難しい

   
この様な症状を感じる事があれば、要注意です!!


椎間板ヘルニアには、膀胱直腸障害(排尿・排便困難)・持続的な強い痛み・高度の下肢の麻痺などを伴い手術が必要な場合もあります。潰れてしまった椎間板自体が完全に回復するのは難しいですが、治療を辛抱強く行っていれば、手術などしなくても次第に改善されていくことが多い為、現在は積極的に手術を勧めるドクターもあまり多くありません。

悲観的になる必要は全くないのです!!



当院での治療は、関節を適切な位置に戻し、運動性を取り戻していく事を目的に進めていきます。立ち方、歩き方の改善、衝撃の吸収を目的にインソールを使用する事でさらに治療効果を高めています。


仕事場や家で正しい姿勢が取りやすい様に、生活環境を改善する。
背骨への負担を軽くする為、食生活には注意し、日ごろから腹筋、背筋などの筋力を鍛え、適度な運動腹式呼吸をする事は重要ですね。

少し意識して気をつけてみるだけでも、症状はかなり変化するものですよ!!