浪越指圧2

そもそも浪越指圧とは、浪越徳治郎先生が臨床の中で特に大切な所を指圧点とし、簡略化、そして集大成したものである。つまり基本の全身指圧が即臨床指圧となり得る。一般的なツボとは少し違う。


では前回からの続きで、力を抜いての圧し方と力を入れての圧し方違いは何処にあるのか??


圧す姿勢である。


1番の基本になる、うつ伏せの腰(左側)で説明しよう。右膝をつき左膝を立てる。指圧をするポイントに右の親指を置く。そうすると右膝をつく位置が自然と決まってくる(右腕の力が抜ける、本人が楽だと思える所)。右太ももを垂直の状態に保てば、左足の位置が決まってくる、(一番楽な無理のない安定する所)。それから左の親指を肩の力を抜いて重ねる。ここまでは施術者の上体は、患者さんの背骨に平行の状態を保つ。手の指を重ねてから、顔を右の親指の方へ静かに向ける。指の力を抜き、腰を移動させていく。(実は腰というよりは膝に意識がある方がやりやすいかも。。膝を起点として動くため、膝の動きが中心となる。)圧す前は右膝に重心の大半がある。右太ももの中心が右の親指に向かっての膝の動きで、重心を移動させる。力を抜いたまま圧の入る姿勢である。左足の先は外側を向ける。


自然だからこそ、動きに無理な力を必要としない。力を抜いて圧す指圧が出来る。力に頼らないから、楽に圧せてあまり疲れない。本人が疲れないやり方。これが患者さんにとっても1番リラックスできる、気楽に受けられて楽になる気持ちのいい圧が入る圧し方である。当たりがやわらかな感触で、しかも圧は深部にまで達してくる。お年寄りや体力の落ちている人、病人に対する治療は、これでなければ対応しにくい。患者さんの体格、体形、体調に合わせて治療出来なければ意味はない。その為に、圧している親指の感触、感覚、腰の動きを理解することが大切である。これが理解できれば、他の部位も同じように圧せる。もちろん、それぞれの部位に合わせて圧す方の姿勢も変わってくるが、あとは応用。うつ伏せの腰が全ての基本となる。



そしてもう一つ大事な事は指作りである。指圧に適した指をつくると同時に、指の感触、感覚を高める。自分の親指で、圧の方向、圧の深さがわかるだけでなく、患者さんの反応がわかるようにならなければならない。



日常、治療院では機械も矯正手技も使うのでベットで施術している。なかなか床(布団)で治療する機会は無くなってしまったが.........